Story
すごく恥ずかしくても言葉にすることに意味があると思っている。
私は「日本の教育を変えたい」と思って教育の世界にいる。もちろん、日本の教育の良さはたくさんある。
会社員から転職をし、マルチタスク過ぎるこの仕事に衝撃を受けた。能力と器用さが求められる。それに加え、職人芸的な側面があり経験が必要で、軌道に乗るのには時間がかかる。
一方、外から来たものとして感じる、見直すべき点もたくさんある。その証拠に、先生になりたい人は減少。今年度の東京都の教員採用試験の倍率はショックだった。
この仕事は生徒と向き合いながら、自身をアップデートしていく必要がある。私はそれが、とても楽しいし、生きている心地がする。きらきらと輝く時間を過ごせて、時に心が震える職業にも関わらず、世の中にその魅力が伝わっていない。
私にとって今後は勝負の10年になる。走り続けるために一緒に走ってくれる伴走者を増やしたい。そして10年後も「日本の教育を変えたい」と言える、気力と情熱を持っていたい。
プロフィール
諸戸彩乃さん
都内公立中学校 主任教諭
社会科/学年主任。会社員、教育系NPOの職員を経て2014年より現職。 シチズンシップ教育、外部連携なども積極的に行い、 企業やNPOとの授業プログラム開発、教科書編集に携わる。 社会と学校をつなぐプロデューサー教師を目指している。
編集後記
あえて言葉にして自分の外に発信することで、信念を貫くための軸ができるのではないかと、彩乃さんの力強い文章を読んで感じました。文章からみなぎる熱が周囲の人たちに伝播し「変える」力になっていくのだと思います。情熱を持った先生方に、私も伴走者の一人として巻き込まれていきたいです。
(編集/たかのまさこ)
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