
※こちらの記事は、ポッドキャスト「もしも私が教育長なら」との連動企画です。併せてご活用ください。
教科書とは
1. 教科書の定義

教科書とは、文部科学大臣の検定を通過したもの、または文部科学省の著作として発行されたものを指し、小・中・高等学校などの児童・生徒が使用するための教材です。教育課程に基づいて作成され、学習内容を系統的に学べるよう構成されています。
2. 教科書制度の変遷

小学校用教科書については、届出制度や認可制度、検定制度などの時期もありましたが、戦前の教科書は主に国が直接作成・発行したものを使用する「国定制」が採用されていました。現在は民間の出版社が作成し、文部科学省の検定を通過したものが使用される「検定制」が採用されています。
3. 教科書検定の仕組み

教科書の検定は、検定基準に基づき、学習指導要領との適合性や科学的正確性が審査され、必要に応じて修正が求められます。検定に合格しなくても出版自体は禁止されませんが、検定を通過しない教材は正式な教科書として採用されません。
また、日本国憲法では、特定の思想や価値観を国が強制することや検閲を禁止しているため、検定のあり方は常に議論の対象となっています。そのため、検定基準の透明性や審査過程の公正性が重要視されています。
4. 教科書の採択

検定済教科書は、一種目について数種類存在するため、この中から学校で使用する教科書が採択されます。採択の権限は、公立学校については所管の教育委員会、国・私立学校については校長にあります。
5. 教科書使用義務

検定に合格した教科書は、自治体の採択を経て子どもの手元に届きます。教科書には使用義務があり、購入費用は国が保障します。
また、教科書に沿った授業を行う際の参考資料として、教科書と同一の出版社から教師用の指導書が発行されています。
(文責:たかのまさこ、監修:小原聡真)
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