留意点
不登校児童生徒への支援は、「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉え、社会的に自立する方向を目指すように働きかけることが求められます。また、児童生徒によっては、不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある一方で、学業の遅れや進路選択上の不利益、社会的自立へのリスクが存在することにも留意する必要があります。不登校に関する発達支持的生徒指導としての「魅力ある学校づくり」を進めると同時に、課題予防的・困難課題対応的生徒指導については、不登校の原因・背景が多岐にわたることを踏まえた上で適切にアセスメントを行い、支援の目標や方針を定め、多職種の専門家や関係機関とも連携・協働しながら「社会に開かれたチーム学校」としての生徒指導体制に基づいて、個々の児童生徒の状況に応じた具体的な支援を展開していくことが重要です。
10.1 不登校に関する関連法規・基本指針
10.1.1 不登校に関する基本指針の変遷
10.1.2 教育機会確保法
10.1.3 不登校児童生徒への支援の方向性
10.1.4 支援の目標
10.2 不登校対応に求められる学校の組織体制と計画
10.2.1 教育相談体制の充実
10.2.2 教育相談を支える教職員の連携・協働
10.2.3 校種を越えての情報連携
10.3 不登校に関する生徒指導の重層的支援構造
10.3.1 不登校対策につながる発達支持的生徒指導
10.3.2 不登校対策としての課題未然防止教育
10.3.3 不登校対策における課題早期発見対応
10.3.4 不登校児童生徒支援としての困難課題対応的生徒指導
10.4 関係機関等との連携体制
不登校にとどまらず、昨今学校現場で起こっている様々な出来事は複雑化・深刻化の傾向が強く、専門的なアセスメント力や知識・技能がますます必要とされています。多様化する不登校に対しては、学校だけの力では十分な支援が難しくなっている状況も見られます。不登校の要因の多様化に伴い、不登校児童生徒への支援の際に連携すべき関係機関は多岐にわたっています。
10.4.1 関係機関の役割
10.4.2 学校と関係機関の連携における留意点
詳細は「生徒指導提要(改訂版)」へ。