「初任者へおすすめの一冊 (2023)」として4月から学校現場で教員として働く方向けに、様々な分野で教育に携わる先輩方から、おすすめの1冊をご紹介いただきました!
「私たちはどう学んでいるのかー 創発から見る認知の変化 ー」鈴木 宏昭 (著)
おすすめの理由
みなさんは、「"学び"とはなにか?」ときかれたら、どんな風に説明しますか?
「"能力"とは虚構である」「"知識"は伝わらない」と聞いたら、どのように感じますか?
本書の背表紙には、こんな言葉が書かれています。
教育現場ではこれまでのイメージから、間違った学習観が広まっている。その弊害をなくすために、認知科学の視点から『学び』の実態を科学的に明らかにする。
私たちは、自分が受けてきた教育の経験などから、自分なりの「学びとはこういうものだ」という経験則を作りあげてきています。しかし、筆者の言葉を借りると、実はそれらは従来の学校教育由来の、とても特殊な状況での教育に基づいた思い込みであることが少なくありません。
だからこそ、現場に出る前に今一度、「学び」を新たな視点から捉え直し、この先もそのイメージをより豊かなものにし続けていくためのきっかけがあるといいなと思い、この本を選びました。
学校の先生が「人の学び」をどのように捉えるのかが、未来の社会に大きく影響を与えると思っています。学びが変われば世界が変わる。一緒に教室から世界を変えましょう。
最後に、この原稿を書いたまさにその日に、著者である鈴木宏昭先生の訃報に接しとても驚いています。この場を借りて、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
おすすめしてくれた方
池田由紀さん
認定NPO法人Teach For Japan / 聖心女子大学大学院博士後期課程
早稲田大学教育学部卒業後、伊藤忠商事株式会社に入社し物流・用船事業に従事。2015年4月よりTeach For Japan第3期フェロー(教師)として奈良市内の公立小学校に赴任。教室では「子どもたちと社会、世界を繋ぐ」を軸にした実践を行い、地域では子どもたちとダンスクラブを立ち上げたり、映画上映イベントや教育関係者が交流できる場づくり・ワークショップの企画をしたりと、学校内外で様々な活動に取り組んだ。奈良での3年間の教員生活終了後、Curio Schoolや新渡戸文化学園などを経て現職。
現在は、教育NPOで教師の採用や研修プログラムの開発をしながら、大学院で学習科学や教師教育をテーマに研究活動を行っています。
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(企画:木村彰宏 / 編集:たかのまさこ)
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