「初任者へおすすめの一冊 (2023)」として4月から学校現場で教員として働く方向けに、様々な分野で教育に携わる先輩方から、おすすめの1冊をご紹介いただきました!
「学校が元気になるファシリテーター入門講座」ちょん せいこ (著)
おすすめの理由
ホワイトボード・ミーティング®︎の提唱者として知られる、ファシリテーターのちょんせいこさんの初期の著書を紹介したいと思います。
ファシリテーションについて基本的な理解が得られ、具体的なチャレンジの道筋も提示してもらえる。しかも読みやすい!
そして、それだけではなく、人間への信頼、揺るがない人権尊重のマインド・・・せいこさんの人柄や思い・考え方もじわじわと体に染み込んでくる感じ。
私自身、大学生の時にこの本に出会い、まさに心がふるえる思いで、感動しながら読み込んだのを覚えています。
聞き合う関係を育みながら、お互いの間に信頼を構築していくこと。
まずもって、心の体力をあたためることの重要性。
思いや情報を可視化し、共有しながら、「参加」を保障していくこと。
もう10年以上前の本ですが、まったく色褪せず、むしろ学校の先生として、子どもたちと向き合う上で、決定的に重要なことが詰まっていると、あらためて感じます。
大きく分けて、「授業/教室におけるファシリテーション」と「会議におけるファシリテーション」のことが書かれていますが、初任者の方はまずは前者の内容をじっくり読んでみてはいかがでしょうか。
先生というのは、子どもたち(大人もですが)をエンパワーしうる、本当にすてきな仕事です。そして、ファシリテイティブな先生が増えていけば、学校の未来はきっと明るくなりますよ。
初任の皆さんにとって、この1年がよい年でありますように!
心から応援しています。
おすすめしてくれた方
武田緑さん
民主的な学び・教育=デモクラティックエデュケーションを教育ファシリテーター/Demo代表。人権教育・シティズンシップ教育・民主的な学びの場づくりをテーマに、企画や研修、執筆、現場サポート、教育運動づくりに取り組む。主な取り組みは、全国各地での教職員研修や国内外の教育現場を訪ねる視察ツアー「EDUTRIP」、多様な教育のあり方を体感できる教育の博覧会「エデュコレ」、立場を越えて教育について学び合うオンラインコミュニティ「エデュコレonline」、学校現場の声を世の中に届ける「School Voice Project」など。
著書:読んで旅する、日本と世界の色とりどりの教育(教育開発研究所)
(企画:木村彰宏 / 編集:たかのまさこ)
▼2022年にご紹介いただいた書籍はこちら