※こちらの記事は、ポッドキャスト「もしも私が教育長なら」との連動企画です。併せてご活用ください。
学習指導要領
学習指導要領は、教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準の一つです。各教科の最低限の指導内容(目標、内容、内容の取扱い)を示しています。文部科学大臣が定める告示として位置付けられ、大綱的基準とも呼ばれます。
学習指導要領解説
学習指導要領とは別に、「学習指導要領解説」があり、各教科等の指導内容の取り扱いについて解説しています。この解説は「指導助言」であり、法的拘束力はありません。
学習指導要領の作成プロセス
学習指導要領は約10年に1回改訂され、以下の流れで作成されます。
1.文部科学大臣から中央教育審議会教育課程部会に諮問
2.中央教育審議会教育課程部会での議論
3.中央教育審議会教育課程部会審議のまとめ公表(パブリック・コメント募集)
4.答申(パブリック・コメント募集)
5.学習指導要領改訂案の公表
6.学習指導要領改訂
現行の学習指導要領は、2017年3月に小中学校、2018年3月に高等学校が改訂されました。改訂されたものが正式に実施されるのは、改訂から3年後で、準備期間が設けられています。
学習指導要領、学習指導要領解説の内容
学習指導要領および学習指導要領解説の一部を引用して紹介します。
例:学習指導要領 小学校6年生の社会
次のような知識及び技能を身に付けること。その際,我が国の歴史上の主な事象を手掛かりに,大まかな歴史を理解するとともに,関連する先人の業績,優れた文化遺産を理解すること。
黒船の来航,廃藩置県や四民平等などの改革,文明開化などを手掛かりに,我が国が明治維新を機に欧米の文化を取り入れつつ近代化を進めたことを理解すること。
例:学習指導要領解説 小学校6年生の社会
「知識及び技能」に関わる事項
黒船の来航については,ペリーが率いる米国艦隊の来航をきっかけに我が国が開国したことや江戸幕府の政権返上に伴い勝海舟と西郷隆盛の話し合いにより江戸城の明け渡しが行われたことなどが分かることである。
技能に関わる事項
例えば,黒船の来航の様子や明治政府の諸改革などを写真,絵画,世界地図などの資料で調べたり,明治政府に関わる人物などの業績と主な出来事などの関係を年表や図表などにまとめたりすることなどが考えられる。ここでは,写真や絵画などの資料から世の中の様子や人物の業績に関する情報を適切に読み取る技能,調べたことを年表や図表などに適切に整理する技能などを身に付けるようにすることが大切である。
「思考力,判断力,表現力等」に関わる事項
ここでは,社会的事象の見方・考え方を働かせ,例えば,どのような背景から黒船が来航したか,黒船の来航を当時の人々はどのように受け止めたか,開国によって人々の生活はどのように変わったか,新政府をつくるために誰がどのように活躍したかなどの問いを設けて,当時の欧米諸国はアジア進出を進めたこと,黒船の来航後に近代化が進み欧米の文化が取り入れられたこと,明治政府は廃藩置県や四民平等など諸改革を行ったことについて調べ,これらの事象を関連付けたり総合したりして,この頃の政治の仕組みや世の中の様子の変化を考え,文章で記述したり説明したりすることが考えられる。
(文責:たかのまさこ、監修:小原聡真)
参考:
文部科学省:学習指導要領とは
文部科学省:小学校学習指導要領(平成29年告示)第 2 第 社会
文部科学省:小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説:社会編
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