※こちらの記事は、ポッドキャスト「もしも私が教育長なら」との連動企画です。併せてご活用ください。
教育課程と授業
学校で行われている「授業」は、学校教育の目的・目標を達成するために展開される教育活動のことです。授業は、何をどのように、どのような順番で、どのくらいの時間をかけて学ぶのかということが計画されています。その計画のことを教育課程(カリキュラム)と言って、各学校に編成権があります。
編成にあたっては、いくつか基準が設けられています。
その基準を3つに分けて整理します。
教育課程編成にあたって3つの基準
①教科
教科は、教育学上の定義の例として以下のように示されています。
教科とは、学校で教授される知識・技術などを内容の特質に応じて分類し、系統立てて組織化したものである。
今野喜清・新井郁男・児島邦宏編『新版学校教育辞典』教育出版株式会社、平成15年より抜粋
小学校の教科は、学校教育法施行規則で以下のように定められています。
小学校の教育課程は、国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭、体育及び外国語の各教科(以下この節において「各教科」という。)、特別の教科である道徳、外国語活動、総合的な学習の時間並びに特別活動によつて編成するものとする。
学校教育法施行規則五十条
②最低限の指導内容
児童・生徒が全国のどの地域で教育を受けても一定の水準の教育を受けられるよう、文部科学省では指導における最低基準(ナショナルミニマム)を定めています。これを学習指導要領といい、各教科等の目標や大まかな内容が、各学年ごとに示されています。
③標準授業時数
学習指導要領で示されている内容を指導するために、必要な授業時間の基礎が定められています。これを標準授業時数といいます。
また、各教科等の授業は、年間35週以上にわたって行うよう計画するものとされています。
例:小学校6年生の国語
175コマを35週かけて学ぶとなると週あたり5コマなので、1日1回は国語の授業が行われる計算になります。
(小学校は1コマ45分、中学校は1コマ50分)
ただし、年間の平均授業実施週は40週程度のため、約5週の余剰が発生します。この5週分で、学級閉鎖や学校行事等に対応します。
各学校はこれらの基準を元に、教育課程を編成します。
(文責:たかのまさこ、監修:小原聡真)
参考:
文部科学省:中央教育審議会,初等中等教育分科会,資料1 教育課程企画特別部会 論点整理,4.学習指導要領等の理念を実現するために必要な方策
文部科学省:調査研究協力者会議等(初等中等教育,道徳教育の充実に関する懇談会,道徳教育の充実に関する懇談会(第8回)配付資料,資料2-2「教科」について
文部科学省:教育,小学校、中学校、高等学校,学習指導要領「生きる力」,学習指導要領の基本的なこと,学習指導要領とは何か?
文部科学省:【資料4】授業時数特例校制度について(概要)
e-Gov法令検索:学校教育法施行規則
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