「初任者へおすすめの一冊 (2022)」として4月から学校現場で教職員として働く方向けに、様々な分野で教育に携わる先輩方から、おすすめの1冊をご紹介いただきました!
おすすめの書籍
おすすめの理由
谷川俊太郎さんと言えば、国語科や音楽科の先生でなくても、「春に」「生きる」などの詩で有名な詩人、絵本作家です。
私は中学校の音楽科の教員です。 谷川俊太郎さんが詩を書いた合唱曲を沢山子供と一緒に歌ってきました。 子供たちも、もちろん私自身も、谷川さんの詩の世界に惹きこまれました。 一つひとつの言葉に想像力を働かせ、なんとかその世界を表現しようと、仲間と共に歌声を響かせ合いました。本当にいい思い出です。 この本はそんな谷川俊太郎さんが、沢山の質問に自身の言葉で答えてくださっている本です。
「谷川さんにとって大人とは?」
「おふろに毎日入らなくてはならないのはなぜ?」
「どうしてにんげんは死ぬの?」
など、老若男女様々な方からの質問とその答えが収められています。 私も、よく朝の会で学級の子供たちに同じ質問をしてみました。 その日一日考えてもらって、帰りの会で子供たちの考えを語り合う。 そんな時間がとても楽しくて温かい時間でした。
本では、谷川俊太郎さんならではのユニークかつウィットに富み、そして含蓄のある答えに、子供たち も私も「なるほど〜」とか、「あ〜それいいね〜!」と思わず舌鼓を打ち、なんだかぽかぽかした気持ち で一日を終わることができます。
そんな時間を先生も過ごしてみませんか?
先生方、初任の先生はきっと学校では毎日全力疾走です。 目の前に迫りくる沢山の壁を打ち崩すのに必死です。
たまには、少し立ち止まって休んでみませんか? のんびりと、谷川さんと一緒に考えてみませんか? 心も体も休憩が必要です。 ぜひ、心がぽかぽかしたら、また動いてみましょう。
教師と言っても人間なんだから、わからないことは沢山あります。 すぐにできないことも沢山あります。 焦らず、立ち止まって子供と一緒に考えてみませんか? 「なんでだろうね?」「どういうことなのかな〜?」
大丈夫です。 子供が何を見つめているのか、どこを見つめているのか? その眼差しがきっと見えてくるはずです。
おすすめしてくれた方
中原 真吾さん
中学校教員(音楽科)。現在は教育行政に。個人的な活動として、音楽科の先生方がつながり、学び合える場として「音楽科授業工房」を立ち上 げ、HP 運営(https://kobo-fukuoka.com/)や、ワークショップの開催を行っている。
SNS 等はこちらから。 https://linkfly.to/singouo
(企画:木村彰宏 / 編集:たかのまさこ)