「初任者へおすすめの一冊 (2022)」として4月から学校現場で教職員として働く方向けに、様々な分野で教育に携わる先輩方から、おすすめの1冊をご紹介いただきました!
おすすめの書籍
おすすめの理由
教育実践の書籍は教育実践者にお任せするとして、私からは「働く」ということにフォーカスした書籍をご紹介します。
はっきり言って日本の組織は(学校に限らず)「部分最適」によって構成されていて、非効率な部分が多いです。
「〇〇について不具合が生じました!」→「〇〇について処理しましょう」
「□□についてクレームが発生しました!」→「□□について問題がないか確認しましょう」
こうした単眼的な視点でものごとを捉えていては、業務なんて一生効率化できません。
「The Goal 企業の究極の目的とは何か」はビジネス本に珍しく、終始「物語」の中で業務の効率化について示唆を与えてくれます。
主人公アレックスが工場長を務める工場は、採算性の悪さから3ヶ月後の閉鎖を指示されます。
アレックスが解決策を模索する中で、大学時代の恩師ジョナとの再会を発端として、部下からの指摘や我が子の行動などから様々な気づきを得ていきます。
この書籍が私たちに与えてくれる気づきをあえて無理やり一言で表すのならば「業務フロー全体における制約条件(ボトルネック)は何か」です。
「〇〇について不具合が生じました!」、「□□についてクレームが発生しました!」といったときに、本当に制約条件となっているのは何か、各種要素を因数分解しながら、効率性を阻害する部分を見つけ出す…。
こうした視点は、自然とあなたを部分最適の沼から助け出し、全体最適で業務を再構築できる力を身につけさせてくれることでしょう。
「小手先の手段ではなく根本的な業務改善の視点を身につけたい」「ビジネスマンが持っている視点を持って学校に入りたい」という思いがある方にはピッタリな書籍だと思います。
ぜひ、ご一読ください。
おすすめしてくれた方
小原 聡真さん
2015年に文部科学省へ入省。2年間、小中一貫教育や英語教育などの初等中等教育行政に従事した後、省内の学校現場派遣研修制度を活用して北海道東神楽町立東聖小学校にて1年間勤務。6年生の副担任として外国語活動や総合的な学習の時間におけるキャリア教育などを担当する他、町教育委員会における教育政策の企画立案にも従事。現在は文部科学省に勤務しながら「教育・学びの未来を創造する教育長・校長プラットフォーム」の事務局として、様々な教育実践者がつながり連携する場の創出に取り組んでいる。
(企画:木村彰宏 / 編集:たかのまさこ)