「初任者へおすすめの一冊 (2021)」として4月から学校現場で教員として働く方向けに、様々な分野で教育に携わる先輩方から、おすすめの1冊をご紹介いただきました!
「子どもたちに詩をいっぱい」岩辺泰吏(著)
おすすめの理由
ことばを大切にする仕事だから
毎日、どんなことばを使っていますか?あいさつやよびかけ、注意、ひとりごとのように自分に向ける言葉まで、様々な言葉を駆使して、私たちは業務をしています。私が初任者向けの研修でお世話になった岩辺先生は、学校・教室・授業で使う言葉の大切さと楽しさを一緒に教えてくださいました。
岩辺先生の著書「子どもたちに詩をいっぱい」では、先生が教えた子どもたちの詩17篇や谷川俊太郎さんの「朝のリレー」や「つまんない」、草野心平さんの「春のうた」を含む85の詩を紹介しながら、紡がれた言葉から子どもたちの気持ちや家庭での様子を推察することや、授業で詩をどう鑑賞するかなど、教員として立ち会う様々なシーンを連想できる解説がなされています。
ただ「子どもたちに詩をいっぱい」はすでに絶版になっているので、岩辺先生の「だいすき国語」や「子どもの心に本をとどける30のアニマシオン」、家本芳郎先生や重水健介先生の群読の本、若松英輔さんの「14歳の教室」や「詩を書くってどんなこと?」もお勧めです。
子どもたちと「あそぶ」ことで「学び合う」
本書で紹介されている「あてっこ詩」や「まねっこ詩」を教室でやってみると、子どもたちの創造力に唸らされたり驚かされたりするはずです。「あてっこ詩」は題名や印象的なフレーズなど詩の一部分を、みんなであてっこするクイズ形式のやりとり。「まねっこ詩」はいわゆる「替え歌」で、詩の一部分やリズムを借りて新しい詩を作るものです。子どもとやると、とても盛り上がりますよ!
あともうひとつ使い方のオススメは、85の詩の中から、または習った詩や俳句・四字熟語などからお気に入りを紹介する・し合うこと。そのことが「どんな人なのかな?」「xxさんはどう思っているのかな?」と思っているときのヒントとなったり、想像力・創造力を促したりしてくれます。
「子育て、子どもと共に育つということをもっと楽しみましょう」「子どもの育ちに共感を!」そう呼びかけてくれるこの本を傍らに置きながら、私も子どもとともにチャレンジしていこうと思っています。皆さんにとっても、4月からの1年のチャレンジが、楽しく充実したものでありますように。
おすすめしてくれた方
山田育子さん
活育教育財団 / Katsuiku Academy プロジェクト・マネジャー。大手IT企業、個別指導・集団塾を経て2014年よりTeach For Japanへ参画、Program Managerとしてフェロー(教員)の研修・支援に携わり、Liaison Managerとして各種渉外活動に従事。2020年からKatsuiku Academyにて学生から保護者まで教育・学びを楽しむ人を増やす活動に励んでいる。
*Katsuiku Academy 学びのメディア https://www.katsuiku-academy.org/media/ *明治図書Eduzine・教育オピニオン寄稿記事 ミドルリーダー先生必見! 「今ドキ」新人の育て方 https://www.meijitosho.co.jp/sp/eduzine/opinion/?id=20180270
(企画:木村彰宏 / 編集:高野雅子)