「初任者へおすすめの一冊 (2021)」として4月から学校現場で教員として働く方向けに、様々な分野で教育に携わる先輩方から、おすすめの1冊をご紹介いただきました!
「上達論」甲野 善紀 (著), 方条 遼雨 (著)
おすすめの理由
腕一本まともに動かせている人はほとんどいない
あなたは自分の腕を自分の思いのままにコントロールすることができるだろうか?
僕の教育観を作る上で、身体について書かれた本を外すことはできない。
自分の身体を思い通りに動かすことさえ、難しいことなのに、他人をコントロールしようなど、おこがましいにもほどがある。 コップを持つという単純な動作ですら失敗することがあるのに、他人の失敗を叱責するなど、おこがましいにもほどがある。
それを自分の身体を通して実感できたからこそ、「やりたいことができる安心感のある場」や、「何度でも失敗ができる信頼感のある場」を作ることにフォーカスするようになった。 何かをさせるのではなく、思わずやりたくなる。 何かを身に付けさせるのではなく、自然と身についている。
やりたいことをやっているうちに、必要なことが自然と身についていく。
そんな理想を持つことができたのは、身体について学びを深めていったからこそ。
では、それを実現するためには?
①「やろうとすれば絶対にできること」から徐々にステップアップしていくこと。
②学校生活の場全てが実験であり、試行錯誤の場であること。
③自分のやりたいことに素直でいられること(自分に嘘をつかないこと)
教育とはこうあらねばならないという思いこみや固定観念を外すこと。
目の前の子供の姿をありのままにとらえようとすること。
言葉を自分の身体で解釈し、自分の言葉で語ること。
教員に限らず、指導者という立場にあるならば、大切にしておきたいことをたくさん学べる一冊。
おすすめしてくれた方
井上拓也さん
「半径5メートル以内の現実から変革を=変革5M」「No Limit!! New Record!!」
先生として、スイマーとして、父親として自己ベストを追求し続けている。水が大好きになる水泳授業、学年主任としての在り方などを中心に発信中。 Twitter:https://twitter.com/tack517
(企画:木村彰宏 / 編集:高野雅子)