「初任者へおすすめの一冊 (2021)」として4月から学校現場で教員として働く方向けに、様々な分野で教育に携わる先輩方から、おすすめの1冊をご紹介いただきました!
「モモ」ミヒャエル・エンデ(著)
おすすめの理由
生き生きと学校という組織で働きたい。 丁寧に周囲の人に関わり、関係性を紡ぎたい。
でも、時間に追われ、クラスの子どもたちや一緒に働く先生たちとの大切な日常が流れていくことも少なくないのが現状です。
モモは有名な時間泥棒の話ですが、そこには忙しい現代の教員の働き方が投影されていると思える示唆に富んだ物語です。
そして、この現状を打破するヒントがこの物語には、隠されています。
それは、モモの「聴く」という力です。相手の話を聴くことで、関わる相手がエンパワーされていく。相手への問い、相手への態度、相手を大事にする姿勢、この自然体の聴く姿を先生たちが実現できればよりよいクラス、よりよい組織を作ることができるんじゃないのかなと思います。
この聴く力を大切にしようとするマインドセットを教員1年目から身につけて、協働が生まれる職場づくりを進めていきましょう!
ぜひ、モモのもつ聴くという力に注目してこの物語を読んでみてください。
おすすめしてくれた方
石橋 智晴 (ハル)さん
大学生の頃、1人1人が気持ち良く学びに参加するにはどうしたらいいのか悩んでいた時にファシリテーションという言葉に出会い衝撃を受ける。
それ以後は、ファシリテーターのあり方やファシリテーションのやり方を模索する日々を送る。
現在は、横浜市の公立小学校の教員5年目。研究主任として校内の組織開発にどっぷりはまっているところ。 また、NPO法人EN Lab.の理事として全国各地の企業や団体で、まちづくり、組織開発、教育分野を中心にグラフィッカー、ファシリテーターとして活動中。
(企画:木村彰宏 / 編集:高野雅子)