「初任者へおすすめの一冊 (2021)」として4月から学校現場で教員として働く方向けに、様々な分野で教育に携わる先輩方から、おすすめの1冊をご紹介いただきました!
「道徳教育はホントに道徳的か?『生きづらさ』の背景を探る」松下 良平 (著)
おすすめの理由
皆さんは道徳教育を心からいいものだと言えますか?
僕は学生時代から「道徳の授業=先生の言って欲しい答えを当てるゲーム」みたいに考えてしまっていたくらい「道徳」というものに対して悲観的でした。
でも、どうしてそう感じるのか、僕は僕の中の違和感を言葉にすることができていませんでした。
そんな中、教職大学院生時代にこの本に出会いました。
これから教壇に立たれる皆さんは、学校生活全体を通して行われていると言われる道徳教育を通して何を伝えたいですか?
そう言われると「えっ」ってなりませんか?
そんなことをいきなり言われてもと思うかもしれません。
ですが、学校は新人にクラスという一つの事業部をいきなり任せるというシステムで動いています。
そのシステムが変わらない以上、みなさんは四月からいきなり道徳教育を行う立場になる訳です。
自分も社会人になったばかり学校に入ったばかりで、右も左もわからないのに、授業はやらなきゃいけないし、子供と保護者の前では先生として扱われるのです。
さて、そんな皆さんは道徳の授業で子供達に何を感じて欲しいですか?
ここで、パッと答えられるのであればこの本は必要はないと思います。
この本に書いてあるのは、わかりやすい手法ではありません。
ですが、自分は何を伝えたいのか考えるきっかけと考えるための材料をもらえるそんな本です。
この本の帯にはこんな言葉が添えられています。
【ルールを守るのは当然だ】
【悪は追放しなければならない】
【自分を犠牲にするのは素晴らしい】
【人に迷惑をかけてはいけない】
【命の大切さは教えなければならない】
これって道徳的ですか?
さぁ、これからの道徳教育を考えよう!
どうして道徳教育をするの?
本当に必要なの?
何も考えず、子供達に学びも気づきもない道徳の授業がしたくないなら、今こそ立ち止まりましょう。
四月からあなたとあなたの前にいる子供や保護者が幸せにしているのを楽しみにしています。
僕も悩みながら歩いています。
一緒に頑張りましょう!
おすすめしてくれた方
小泉志信さん
東京学芸大学教職大学院卒。今年新任小学校一年生担任。
教職大学院では、ルール教育や道徳を専門に学ぶ。教職大学院生時代にクラウドファンディングを実行し、中国の大学で二週間教壇に立ち、中国人の学生に「恋愛×大学生の日常」「日本の〇〇」といったテーマで、日本文化を伝える授業を行う。教職大学院進学後、教員志望の学生を対象に月に一度学校外で教育に携わっている人と学生を繋ぎ、学校教育を考える団体「せんせいのたまご」を立ち上げ、代表として現在まで運営。 今年度新任で勤めている都内公立小学校で、小学校一年生に振り回され、振り回しながら、全校生徒参加のzoom集会したり、 奮闘中。教育新聞社特集記事。一般社団法人まなびパレットを起業し、2021/3/28にキックオフイベントを実施する。
Facebook:https://www.facebook.com/shinobu.koizumi.14
(企画:木村彰宏 / 編集:高野雅子)