平成29・30・31年に改訂された学習指導要領。改訂に込められた思いとして文部科学省のWEBサイトには、以下の文章が掲載されています。
学校で学んだことが,子供たちの「生きる力」となって,明日に,そしてその先の人生につながってほしい。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1383986.htm#section3
これからの社会が,どんなに変化して予測困難な時代になっても,自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,判断して行動し,それぞれに思い描く幸せを実現してほしい。
そして,明るい未来を,共に創っていきたい。
2020年度から始まる新しい「学習指導要領」には,そうした願いが込められています。
これまで大切にされてきた,子供たちに「生きる力」を育む,という目標は,これからも変わることはありません。
一方で,社会の変化を見据え,新たな学びへと進化を目指します。
生きる力 学びの,その先へ
新しい「学習指導要領」の内容を,多くの方々と共有しながら,子供たちの学びを社会全体で応援していきたいと考えています。
このようなビジョンをもとに掲げられた理念と、その理念を実現するための改訂ポイントを以下に整理しました。
「社会に開かれた教育課程」の実現(理念)
「社会に開かれた教育課程」とは
今回改訂された学習指導要領には、基本的な理念として「社会に開かれた教育課程」が掲げられています。
この理念は、子どもたちが社会のつながりの中で学ぶことで、自分の力で人生や社会をよりよくできるという実感を持つことができるよう、以下の3つのポイントで整理されています。
●よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を学校と社会とが共有します。
●これからの社会を創り出していく子供たちに必要な資質・能力が何かを明らかにし、それを学校教育で育成します。
●地域と連携・協働しながら目指すべき学校教育を実現します。
変化の激しい社会において、子どもたちが困難を乗り越え、未来に向けて進む希望や力を身につけるために、これからの学校には、社会と連携・協働した教育活動を充実させることがますます求められています。
資質・能力三つの柱(何ができるようになるか)
資質・能力三つの柱とは
学習指導要領(29・30・31年改訂)では、子どもたちが「何ができるようになるのか」という観点から、育成することを目指す「資質・能力」を以下の3つの柱で整理しています。
●学んだことを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力,人間性等」
●実際の社会や生活で生きて働く「知識及び技能」
●未知の状況にも対応できる「思考力,判断力,表現力等」
各教科等の目標や内容は、この3つの柱に基づいて再整理されています。
新しい時代に必要となる資質・能力を踏まえた教科・科目等の新設や目標・内容等の見直し(何を学ぶか)
これからの子どもたちには、情報化やグローバル化といった社会の変化に対して主体的に向き合い、自己の生き方を考えられる力が必要とされています。
そのために、学習指導要領(29・30・31年改訂)では、子どもたちが「何を学ぶか」という教育の内容を重視し、教科・科目等の新設や、各教科等で育む資質・能力を明確化し、目標や内容が構造的に示されています。
具体的な新設教科等
プログラミング教育
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1383986.htm#section6
コンピュータがプログラムによって動き,社会で活用されていることを体験し,学習します。
外国語教育
「聞くこと」「読むこと」「話すこと」「書くこと」の力を総合的に育みます。
道徳教育
自分ごととして「考え,議論する」授業などを通じて道徳性を育みます。
言語能力の育成
国語を要として,すべての教科等で子供たちの言葉の力を育みます。
理数教育
観察,実験などにより科学的に探究する学習活動や,データを分析し,課題を解決するための統計教育を充実します。
伝統や文化に関する教育
我が国や郷土が育んできた日本の伝統や文化を学びます。
主権者教育
社会の中で自立し,他者と連携・協働して社会に参画する力を育みます。
消費者教育
契約の重要性や消費者の権利と責任などについて学習し,自立した消費者として行動する力を育みます。
特別支援教育
幼児期から高等学校段階まで,全ての学校で障害に応じた指導を行い,一人一人の能力や可能性を最大限に伸ばします。
主体的・対話的で深い学び(どのように学ぶか)
主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の視点から、子どもたちが「何を学ぶか」だけでなく「どのように学ぶか」も重視した授業改善が求められています。
授業改善の視点
【主体的な学び】の視点
https://www.mext.go.jp/content/1421692_8.pdf
学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているか。
【対話的な学び】の視点
https://www.mext.go.jp/content/1421692_8.pdf
子供同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ、自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているか。
【深い学び】の視点
https://www.mext.go.jp/content/1421692_8.pdf
習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているか。
出典:文部科学省WEBサイト
・学習指導要領「生きる力」
・平成29・30・31年改訂学習指導要領の趣旨・内容を分かりやすく紹介
・平成29・30・31年改訂学習指導要領(本文、解説)
・小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 総則編
・小学校学習指導要領(平成 29 年告示)平成 29 年 3 月 告示
・社会に開かれた教育課程
・主体的・対話的で深い学び(「アクティブ・ラーニング」)の視点からの授業改善
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[…] *1,2,3=学習指導要領において、子どもたちが「何ができるようになるのか」という観点から、育成することを目指す「資質・能力」。詳細はこちら。 […]