「初任者へおすすめの一冊 (2023)」として4月から学校現場で教員として働く方向けに、様々な分野で教育に携わる先輩方から、おすすめの1冊をご紹介いただきました!
「子どもたちに民主主義を教えよう――対立から合意を導く力を育む」工藤勇一 (著), 苫野一徳 (著)
おすすめの理由
『学校は、何のためにあるのか』『どんな教育が良いと言えるのか』を問い続けてきた哲学者の苫野一徳さんと、誰もが合意できる最上位目標を大切に学校改革を進めてきた工藤勇一さんとの、学校教育の本質についての対話が本著では書かれています。
未来の社会を生きる子どもたちへ伝えるための、対話をしながら合意形成をしていくことの哲学や、その実践についても学べます。そして、学校教育において『民主主義の土台をつくること』『自由の相互承認の感度を育むこと』の大切さが分かります。
これから教育現場へ旅立つみなさんにとって、方法論ではなく、ずっと大事にしていきたい芯となる考えや価値観が本著で見つかると思います。
僕が働く名古屋市では、苫野一徳さんの哲学を元に公立学校の転換が進められています。方法論や、問いのマジック、対立に迷い込んだ時に、『何のために』と苫野さんの哲学が問い直してくれます。勇気づけてくれます。この動きは、熊本、広島などの他の自治体でも広がっています。
みなさんにとっての哲学となることでしょう。オススメします。
おすすめしてくれた方
岩本歩さん
1982年生まれ。名古屋市公立学校勤務16年目。2019年は「画一授業改善から転換をはかる事業」実践者として、オランダでイエナプランを学ぶ。2020年2021年は、イエナプラン教育教会と連携して研究主任を担当。イエナプランを参考にした研究を通して、中京TV /中日新聞掲載。イエナプラン教育教員資格取得者。
現在は、名古屋市教育委員会 新しい学校づくり推進室 指導主事。沖縄〜北海道まで現職教育を開催。夏にイエナプラン教育を参考にした実践本などなど執筆中。
▼スクールイノベーション
https://nagoyaschoolinnovation.city.nagoya.jp
▼Twitter
https://twitter.com/ayumixayuayu515
(企画:木村彰宏 / 編集:たかのまさこ)
▼2022年にご紹介いただいた書籍はこちら