「初任者へおすすめの一冊 (2023)」として4月から学校現場で教員として働く方向けに、様々な分野で教育に携わる先輩方から、おすすめの1冊をご紹介いただきました!
「雨の降る日は学校に行かない」相沢 沙呼(著)
おすすめの理由
「みんなが楽しく学校に来れますように」
そんな願いを持って、あなたは教壇に立つことでしょう。もしかするとその背景には、あなたの学校(教育)経験が楽しいものであったという記憶があるかもしれません。しかし、必ずしもすべての子どもたちが、学校を・教室を、楽しい居場所と思えているとは限りません。
たった3年ですが、私は生身の中学生45人と「日常」を共にしました。その各々の日々は、大小の差はあれど「ゆらぎ」の中にあったことは間違いありません。教室の中と外、それぞれにおけるさまざまな関係性のなかで、彼ら彼女らに湧き起こる感情には、明確な名前をつけられないことの方が多いように見えていました。
そうした「ゆらぎ」の存在を受け止めつつ、それでも学校を「居場所」の一つとして思えるようであって欲しい。朝読書の時間にそれぞれが自分の読みたい本を読んでいる最中、私は私でこの本を読み、生徒たちが健やかであることを願っていました。
おすすめしてくれた方
遠藤忍さん
認定NPO法人Teach For Japan 7期フェロー
1988年生まれ。非教員養成系の総合大学で教員免許を取得し、教育実践の研究を大学院まで続けたのに、新卒では民間企業に入社。市場調査会社で6年勤務し、データ分析や人事を担当。30歳で思い切り、生まれても育ってもいない福岡県飯塚市に、Teach For Japanのフェローとして派遣される。英語科教員としてさまざまな挫折感を覚えながらも、ICT教育やプロジェクト学習、生徒会活動の充実に取り組む。社会人45人を巻き込んだ、社会人と中学生の2on1キャリア対話「マイメンター」を2021年度に実施したら、プログラムに参加した社会人から誘いを受け、2022年から外資系IT企業の障害者雇用(研修型雇用プログラム)担当に転職することに。一貫して「この生きづらい世の中で、勇気と気づきが、まだ見ぬ明日を切り拓く」をビジョンにもがいている。
趣味のブログ執筆は19年目に突入(→ https://enshino.biz/ )。Twitterは大半が「どうしょもない」つぶやきだが、ときどきセミナー実況でTLを埋めがち( → https://twitter.com/enshino )。
(企画:木村彰宏 / 編集:高野雅子)