「初任者へおすすめの一冊 (2022)」として4月から学校現場で教職員として働く方向けに、様々な分野で教育に携わる先輩方から、おすすめの1冊をご紹介いただきました!
おすすめの書籍
おすすめの理由
この本に出会っていたら、僕の初任者生活は明るくスタートしただろうに…
私がそう思う一冊「学級開き入門」を紹介します。
1年目のスタートは、この一冊で間違いなしです。
学級開きとは、1年間の土台となる学級生活のルールや子ども同士の関係を作っていく指導のことです。
この時期に、適切な土台を築くことができれば、学級の1年間はかなり安定します。
が!ここで、つまずいてしまうことで、その後に大変な思いをすることも少なくありません。
かく言う私も、1年のスタートが非常に苦手でした。
もし、あの時にこの本が手元にあれば…
この悔しさを皆さんにも味わってほしい気持ちもありますが、そういった器の小ささに負けず、皆さんに紹介したいと思います。
学級開きに関する本は、沢山ありますが、中でもこの本をオススメする理由が3つあります。
①ベーシックであること
教師には、いろいろな人がいます。
明るい人、もの静かな人、威圧感のある人、穏やかな人。
この本の実践は、そうした教師の個性に関わらず、幅広い層の人が無理なく実践できます。
世の中には、覆面を被って笑いを取ることや、BGMで出会いを演出するという実践も有りますが、ぶっちゃけ、これらは人を選びます。
合わない人は、合いません。
この本は、そのような特殊な実践はほぼ有りません。
いたってベーシック。だからこそ、応用もしやすいです。
スタートは、この一冊で間違いなしです。
②子どもが理解できる理由に基づいていること
向山洋一さんという有名な先生がいます。
その方が、「授業の腕を上げる法則」という本の中で、「趣意説明」の大切さを挙げています。
つまり、子どもに対して指示を出したら、その理由も説明しましょうということです。
教育実践書の中には「トラブルが減るから」「教師の手間が省けるから」のように、教師目線で理由が書かれているものもあります。
しかし、この本は「給食当番を待つのは労をねぎらうため」「ルール破りを認めないのは子どもの安心のため」のように、子ども達に説明できる理由が必ず添えてあります。
子ども目線での理由は、経験が少ない間は、パッと思いつかないこともあります。
ですので、現場に立った時に、この一文がある価値をきっと実感すると思います。
スタートは、この一冊で間違いなしです。
③抜群の読みやすさ
学級開きは、一年の土台をつくる指導と先述しました。
しかし、この本に書かれているのは、4月1日の着任から子どもに出会う前までに行うことについても書かれています。
内容も、物品や心構えはもちろんのこと、所作やアクティビティの選び方に至るまで、幅広く網羅しています。
そうした充実した内容にも関わらず、本気を出せば90分で読めます。
もう、驚きの読みやすさです。
スタートはこの一冊で間違いなしです。
この本と共に、皆様が充実した教師生活をスタートできることを願っています。
一方で、この本を読まずに数々の困難に自らぶち当たろうとする勇敢な方も、そっと応援しております。
おすすめしてくれた方
菊地 南央さん
NPO授業づくりネットワーク理事、企業や外部人材と協働してつくるコラボレーション授業の実践に取り組んでいる。
共著「学級経営が主役のカリキュラム・マネジメント~キャリア意識を育むコラボレーション授業の実践~」
(企画:木村彰宏 / 編集:たかのまさこ)
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