「初任者へおすすめの一冊 (2022)」として4月から学校現場で教職員として働く方向けに、様々な分野で教育に携わる先輩方から、おすすめの1冊をご紹介いただきました!
おすすめの書籍
おすすめの理由
今は岩手県で小学校教員をしていますが、私が大学を出た頃の岩手県教員採用試験の倍率はとても高く、社会人1年目から講師をしていました。
どうしても本採用になりたかった私は、別の自治体を受験し、地元を離れて11年間教職に就くことになりました。
高校の恩師からの連絡で、岩手に戻ることを決意しました。人生通算7度の教員採用試験を受けました。
何が言いたいか。それは、私自身が3度の「1年目」を経験してきたということです。
1度目は大学を出て講師になった年です。それこそ、「学生から社会人へ」の1年目でした。
2度目は千葉県で本採用になった年です。地元を離れ、完全アウェイの中で「初任者」として1年目を過ごしました。
3度目は岩手県に戻った年です。千葉県教諭を退職し、岩手県教諭として「新規採用」となりました。地元に戻った1年目でした。
みなさんもきっと、社会人1年目、一般企業からの転職1年目、初任校1年目、異動1年目など、人生の節目で必ず「1年目」を迎えると思います。そんな時に読んできた本が、この「入社1年目の教科書」でした。
この本に惹かれる理由の1つとして、目次の言葉が力強いことを挙げます。
・「~せよ!」
・「~だ!」
・「~こと!」
など、迷いなく言い切っている内容が気に入っています。ぼんやりしておらず、メッセージが明確に伝わってきます。
特に好きな内容は、
・「何があっても遅刻はするな」
・「朝のあいさつはハキハキと」
・「目上の人を尊敬せよ」
です。
正直、僕は20代の頃に普通に遅刻していました(今では考えられない)。管理職からの電話で飛び起き、慌てて学校に行ったことが何度もあります。
また、新しい環境に行けば、「できないこと」の方が多いはずです。自分にできることと言えば「朝のあいさつしかない」と思っていました。
さらに、経験を積めば積むほど過信したり、天狗になってしまう傾向が強かったので、目上の人に限らず、若手に対しても敬意を忘れたくないと強く思っています。
この他にも、「1年目」に必要なメッセージがたくさん書かれています。毎年開き、初心を思い出すための1冊にしています。ぜひ、お読みください。
おすすめしてくれた方
ふるだてよしずみさん
1983年生まれ。岩手県公立小学校教諭。教師歴16年目。大学卒業後、岩手県で2年間講師をし、千葉県での採用が決まる。11年間勤めた後、岩手県教諭として採用。平成29年には千葉県教育弘済会教育実践研究論文にて最優秀賞を受賞。平成30年には全日本教育弘済会教育実践研究論文にて優良賞を受賞。教育サークル「バラスーシ研究会」を共に立ち上げた高橋朋彦氏との共著「ちょこっとシリーズ」が明治図書から絶賛発売中。菊池道場岩手支部長を務める。
Twitter:https://twitter.com/YoshiJunF
著書
■「子どもと教師を伸ばす学級通信」
■「授業の腕を上げるちょこっとスキル」
■「学級づくりに自信がもてるちょこっとスキル」
■「教室の願いを叶えるちょこっとアイテム」
■「想いが伝わるちょこっとフレーズ」
(企画:木村彰宏 / 編集:高野雅子)
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