Story
大学の卒業研究では、中身はまったく意味不明、表紙だけキラキラと念入りにデコった。「がんばるところを間違えている」と言われた(笑)
教員一年目は、土日も学校へ行った。子どもたちの誕生日にはケーキの飾りを作った。無駄なことと言われようが、楽しかった。私の仕事で誰かが喜んでくれることが、ただ嬉しかった。
好きなことを好きなだけできるこの仕事の楽しさと同時に、いくらやっても終わらない苦しさも知った。
あれから何年も何年も経った。酸いも甘いも味わった。教室は可愛くしたい。おしゃれをして仕事に行きたい。相変わらず「がんばるところを間違えている」。
人間、そう簡単に変わらないんだなぁと思う。
年を重ねるのは素敵なことだと、若い人に希望を与えるおばちゃんでいたい。10年後も、楽しいことをしてワクワクしていたい。好きなものに囲まれて、教室で笑っていたい。誰かが喜んでくれるような、そんな仕事がしたい。ただそれだけのことがいかに難しいことかわかっているからこそ、そんな未来が尊い。
プロフィール
繭さん
公立小学校教諭
2児の母
編集後記
「何歳だからこうあるべき」という年齢に縛られた生き方や働き方ではなく、常に自分のワクワクを軸に、そして歳を重ねてもそれを実践していける姿は、簡単ではないからこそ、きっといろんな人の希望になると思いました。10年後もワクワクしていたいですね。
(編集/たかのまさこ)
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