みなさんは『SDGs』のこと、どのくらいご存じでしょうか?
プラスチックごみの削減に関する取り組みは、SDGsにおける課題解決のため手段として日本全体にも浸透しています。学校教育の現場でも様々な取り組みが行われており、事例集も充実しています。
一方で、SDGsの背景や、よく耳にする課題以外の取り組みに関しては、まだ知らないこともたくさんあるのではないでしょうか。
そこで、せっかくの取り組みがより自分ごとになるよう、SDGsの背景、まだ浸透していない課題や課題解決へのプロセス等にフォーカスしたビジュアルコンテンツをご紹介したいと思います。
ビジュアルコンテンツは、この企画にご協力いただいたデザイナーの方に寄稿いただく形でご紹介してまいります。
「誰一人取り残さない」の背景
初回は、『カタリスト for edu』から、SDGsの背景をお届けします。
ここではSDGsで理念として掲げられている「誰一人取り残さない」を軸にまとめました。「どうすればそのような状態を作れるの?」という問いへの答えを探るきっかけになればと思います。
SDGsでは「誰一人取り残さない」という理念が掲げられています。
その理念の背景は「SDGsの前進となるMDGsによって“取り残された人々”の存在が明らかになったから」と言われています。
そのMDGs(ミレニアム開発目標)とは、2000年の国連ミレニアム・サミットで採択された「国連ミレニアム宣言」をもとに達成すべき国際社会共通の目標としてまとめられたもです。
2015年までに、達成を目指す8つの目標は開発途上国の課題解決として共有され、ある一定の成果も出した一方、取り残された人々の存在を明らかにしました。
国や地域によって目標の達成に差が生まれたり、地域や性別、年齢等による格差も浮き彫りになりました。
そこで「誰一人取り残さない」ために、SDGsが生まれました。
SDGsとは、MDGsが達成できなかったものを全うすることを目指すものであり、①MDGsで達成できなかった課題、②MDGsには含まれていなかった課題③新たに浮上してきた課題を包括した目標であることを明示しました。
(誰一人取り残さない)この偉大な共同の旅に乗り出すにあたり、我々は誰も取り残されないことを誓う。人々の尊厳は基本的なものであるとの認識の下に、目標とターゲットがすべての国、すべての人々及び社会のすべての部分で満たされることを望む。そして我々は、最も遅れているところに第一に手を伸ばすべく努力する。
※太字は筆者による
また、上記のように、宣言の中には「最も遅れているところに第一に手を伸ばすべく努力する」という記述があり、誰一人取り残さないことへの信念が垣間見られます。
先進国は[援助する側]から課題解決の[当事者]へと意識を変え、この目標を達成する当事者になる必要があります。
「先進国も途上国も取り組むべき普遍的な目標」として作られたSDGsの17の目標は、開発側面だけでなく経済・社会・環境の3側面すべてに対応し、ゴールを目指します。
出典:外務省WEBサイト
(文章・デザイン:たかのまさこ)