「初任者へおすすめの一冊 (2023)」として4月から学校現場で教員として働く方向けに、様々な分野で教育に携わる先輩方から、おすすめの1冊をご紹介いただきました!
「チルドレン」伊坂幸太郎 (著)
おすすめの理由
「少年と向かい合うのに、心理学も社会学もないっつうの。あいつらは統計じゃないし、数学でも化学式でもない。だろ? 」
「調査官は、担当する少年が、『他の誰にも似ていない、世界で一人きりの奴』だと思って、向かい合わないと駄目なんだよ」
これは、本作に出てくる破天荒な家庭裁判所調査官・陣内さんの言葉。
初任者の方は、きっと目の前の子供のためを思って奮闘されることでしょう。
その時の気持ちをずっと覚えていて欲しいのです。そして、忘れそうになったら冒頭の言葉を思い出して欲しいのです。
経験や知識は、ベテランの先生には敵わないかもしれません。日々の対応に追われて、辛くなることもあるかもしれません。
それでも、目の前にいる子供を、世界で一人きりの大切な人だと思って接することはできると思うのです。
仕事に追われて初心を忘れかけていた私への自戒も込めて、この本をおすすめします。
おすすめしてくれた方
藤本恵美さん
教育委員会指導主事
「教員免許を持たない指導主事」として、地方自治体で特別支援教育の推進を担当。インクルーシブな社会づくりを目指す。