カタリストーリー「ようこそ学校へ」3通目

1年目に苦しみすぎないように初任者として感じたポイントを整理しました

はじめまして。2年間企業で働き、2年間NPOのプログラムで常勤講師として小学校に赴任し、新採用として今年1年間小学校で過ごしました小林湧と申します。

私が社会にでる2015年前後は、MOOCsや反転授業がバズった時期であり、学習指導要領改定や高大接続改革も含めて大きな意味で日本の教育を前に(上に)進めようという時期でした。

その後、AL(アクティブ・ラーニング)という言葉が一人歩きして教員の授業自体に焦点が移り、同じようなタイミングで子供の貧困にもスポットライトが当たりました。教員が様々なことを気にしなければならなくなり、社会の流れもあって教員の働きかた改革が叫ばれはじめたあたりが、みなさんが進路を考えていた時期になるでしょうか?

学校に対する負のイメージが先行してもなお、学校や教育に希望をもって教員となってくださる方がいることを、本当に嬉しく思っています。

余計なことで苦しまないよう、1年間初任者としてわかったことを2点お伝えします。

1点目、初任者仲間の多くが苦しんだのは6月でした。そこには様々な理由がありました。

先生自身、少し周りが見え始める時期。そこで自分の理想と現実のギャップにショックを受けた先生が少なからずいました。学級の雰囲気や自分の授業の質、学校内で貢献できていないことを気にしている真面目な先生もいました。加えて、ゴールデンウィーク明けに学級の雰囲気が崩れた人。子供たちの先生への慣れが出たり、長期休暇で忘れてしまったり。そもそも梅雨だから気持ちが落ち着かない子供がいたのかもしれません。そんな状況で、眠れなくなったり長時間働いてなんとかしようとして、体も心も苦しくなっていきました。以下考えられる対応策です。

  • 学校内外問わず、相談できる(吐き出せる)人を認識しておく

→学校の中にも外にも相談できる相手がいると、なおよいと思います。

  • 正常でいられる武器をもっておく

→苦しめられているしきたりは、その学校や自治体だけでの常識という可能性があります。国や県からの通知、学習指導要領など、声をあげたいときに使える武器があるのだと知っておくだけで気持ちが楽になります。

  • 自分に対する理想を一回置いておく

→理想の先生像があることはとてもよいことです。目標はもっておきながらも、自分の今の位置を冷静に見極め、長期目標と短期目標をわけて考えてほしいです。これは子供に対しても同じで、例えば「こんな大人になってほしい」を長期、「○年生としての理想」を中期の目標とおくと、今できるようになってほしい短期的な目標もあったほうがいいことがわかるかと思います。

2点目は誰と上手くやっていくかという点です。

比較的色々なことを聞きやすい若手の先生、学年の先生、学年主任の先生、クラスの子供に関わってくださる専科の先生、養護の先生、前に子供たちを見てくれていた先生、管理職の先生、事務の先生、、、先生だけでも多くの人と関わる必要があります。

先生たちは忙しそうに見えますが、初任者の困りごとを助けることはそこまで大変でないし、そういう先生たちでも大変なことはそもそも初任者がなんとかできる内容ではありません。ちょっとでもわからなかったらすぐに聞いた方がお互いのためになります。

加えて、保護者の方とも関係性を築く必要があります。もちろん、子供とも。

謙虚素直真摯に。挨拶や礼儀を含め、この3点を意識して向き合うとよいと感じました。

30人ほどの初任者と話をしながらわかった色々なことを書きましたが、自分の目で見て、肌で感じて、そして自分の頭で考えて子供と関わってください。

私は、小学校の教師は本当に素敵な職業だと思っています。ストレスを感じたこともないし、本当に楽しく、笑いの絶えない毎日です。

誰でも発信できる社会だからこそ、自分の狭い経験を一般化してしまうような発信だけを信じないように気をつけてほしいと思います。「苦しい」も「楽しい」も、その人の感覚なのだから。 みなさんの健康と命の輝きを祈っています。一緒に楽しみながら頑張っていきましょう。

Profile

小林湧
1992年福岡生まれ。大学時代、ラグビーのコーチングと並行して、学級崩壊クラスの補助や初任者研修の補充、大空小学校での学びなどを経て2015年ベネッセコーポレーションに入社。進路多様校における高校営業に従事した後、Teach For Japanのプログラムにより戸田市の小学校に2年間勤務。市のセンター研究員としてイノベーション・PBL研究部会に所属。今年度も引き続き戸田市の小学校においてプログラミング、PBL、セサミストリートカリキュラム等を実践。合わせてビッグイシュージャパンのプロボノとして人権感覚プログラムの授業を開発中。

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