カタリストーリー「ようこそ学校へ」2通目

4月から先生になるみなさんへ

4月から先生になるみなさんへ 、私の体験をお裾分けしたいと思います。

私は私立高校で非常勤講師を1年間勤め、その後、県立高校で教諭として採用されました。
非常勤講師時代は週16コマの授業を担当し、授業の進め方や定期考査の作成方法、成績の付け方などを学びました。

そして、期待と不安を胸に飛び込んだ県立高校の世界、最初の勤務校は中堅進学校でした。
生徒のほとんどがセンター試験を受験し、大学進学を目指す学校です。
生徒は非常に素直で、こちらの指導に熱心についてきました。先生方も非常に熱心で、残業は当たり前、遅くまで学校に残る先生も多い学校でした。

授業と部活指導に熱心に取り組んだのですが、私が苦労したのは「他の教員とのコミュニケーション」でした。会議に遅れた先生を呼びに行くのは若手の仕事、という常識を私は知りませんでした。初めて参加した学年会で、「何ぼーっとしているの、早く呼んできなさいよ」と学年主任の先生に言われました。私は呼びに行く先生の名前すらまだ覚えていませんでした。

初めての校務分掌にも戸惑いました。教務課で時間割担当だったのですが、授業の空き時間に「ちょっと時間割変更お願いできる?」と声をかけられ、そのたびに授業準備を中断しないといけませんでした。時間割以外にも様々な仕事があり、そのどれもが初めて体験することで、失敗しては怒られました。自分の授業準備や研究授業の準備は後手後手となり、残業が常態化していきました。

正直、非常勤講師時代の授業という経験(ストック)が無ければ、私は1年目でゲームオーバーだったと思います。また、自分が潰れなかったのは、支えてくれた同期や、あたたかく指導をしてくれた先輩の先生方のおかげです。 4月から教壇に立つみなさん、学校という職場は、想像以上に忙しかったです。私が自分の経験を元にアドバイスできることがあるとすれば、以下の3つのことです。

1つ、完璧主義に陥らないこと。1年目から授業も完璧、校務分掌も完璧、というのは相当厳しいです。これは個人の責任ではなく、忙しい学校のシステムの問題と考えます。1年目の失敗は貴重な経験と思い、その悔しさを2年目以降にバネにするくらいがちょうどいいと思います。

2つ、上手に人に頼ること。問題をひとりで抱え込んでしまうのは良くありません。同期や先輩に頼りましょう。どうしても相性が合わない人が上司になったりすることもあると思いますが、応援してくれる人も必ずいます。早め早めに報告・連絡・相談をすることが肝心です。受けた恩を返すのは、2年目以降にゆっくりでいいです。

3つ、現場の先生を信頼すること。私が1年目を経験したときに比べて、Twitterなどでの教員の情報発信が増えています。Twitterでは「定時に帰ろう」や「部活動を縮小しよう」という声がある一方で、現場では「残業はある程度仕方ない」「部活指導を熱心にしよう」という空気がまだまだあるでしょう。
理想と現実の乖離があるかと思いますが、本当に困ったときに助けてくれるのは現場の先生です。現場の先生を信頼し、相談しましょう。

1年目を乗り越えたら、2年目、3年目は自分でできることも少しずつ増えていきます。自分で改革をしていくことも可能になっていきます。ゆっくりやっていきましょう。

みなさんの輝かしい未来を応援しています。

Profile

しん
休職中の高校の先生です。

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