学習指導要領の変遷

学習指導要領は、現在のような告示の形で定められた昭和33年から、約10年に一度改訂されてきました。

(1)昭和33-35年改訂

教育課程の基準としての性格の明確化
(道徳の時間の新設、基礎学力の充実、科学技術教育の向上等)(系統的な学習を重視)

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/1304360_002.pdf

ア 道徳の時間を特設して,道徳教育を徹底して行うようにしたこと。
イ 基礎学力の充実を図るために,国語,算数の内容を再検討してその充実を図るとともに授業時数を増やしたこと。
ウ 科学技術教育の向上を図るために,算数,理科の充実を図ったこと。
エ 地理,歴史教育を充実改善したこと。
オ 情操の陶冶,身体の健康,安全の指導を充実したこと。
カ 小・中学校の教育の内容の一貫性を図ったこと。
キ 各教科の目標及び指導内容を精選し,基本的な事項の学習に重点を置いたこと。
ク 教育課程の最低基準を示し,義務教育の水準の維持を図ったこと。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/__icsFiles/afieldfile/2011/03/30/1304372_001.pdf

ア 学習指導要領は,教育課程の基準として文部大臣が公示するものであると改め,学校教育法,同法施行規則,告示という法体系を整備して教育課程の基準としての性格を一層明確にしたこと。
イ 小学校の教育課程は,各教科,道徳,特別教育活動及び学校行事等によって編成するということを明示したこと。
ウ 小学校における各教科及び道徳の年間最低授業時数を明示したこと。
このように,従来は学習指導要領で規定していた事項を学校教育法施行規則において規定したのも,昭和33年の改訂の特色の一つである。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/__icsFiles/afieldfile/2011/03/30/1304372_001.pdf

(2)昭和43-45年改訂

教育内容の一層の向上(「教育内容の現代化」)
(時代の進展に対応した教育内容の導入)(算数における集合の導入等)

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/1304360_002.pdf

ア 小学校の教育課程は,国語,社会,算数,理科,音楽,図画工作,家庭及び体育の各教科,道徳並びに特別活動によって編成するものとしたこと。
イ 小学校の各学年における各教科及び道徳の授業時数を,最低時数から標準時数に改めたこと。
ウ 小学校の教育課程に関し,その改善に資する研究を行うため特に必要があり,かつ,児童の教育上適切な配慮がなされていると文部大臣が認める場合においては,文部大臣が別に定めるところにより,小学校学習指導要領等によらないことができることとしたこと。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/__icsFiles/afieldfile/2011/03/30/1304372_001.pdf

ア 小学校の教育は,教育基本法及び学校教育法の示すところに基づいて人間形成における基礎的な能力の伸長を図り,国民育成の基礎を養うものであるとしたこと。
イ 人間形成の上から調和と統一のある教育課程の実現を図ったこと。すなわち,基本的な知識や技能を習得させるとともに,健康や体力の増進を図り,正しい判断力や創造性,豊かな情操や強い意志の素地を養い,さらには,国家及び社会について正しい理解と愛情を育てるものとしたこと。
ウ 指導内容は,義務教育9年間を見通し,小学校段階として有効・適切な基本的な事項に精選したこと。この場合,特に時代の進展に応ずるようにしたこと。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/__icsFiles/afieldfile/2011/03/30/1304372_001.pdf

(3)昭和52-53年改訂

ゆとりある充実した学校生活の実現=学習負担の適正化
(各教科等の目標・内容を中核的事項に絞る)

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/1304360_002.pdf

ゆとりのある充実した学校生活を実現するため,各教科の標準授業時数を削減し,地域や学校の実態に即して授業時数の運用に創意工夫を加えることができるようにしたこと。
ゆとりのあるしかも充実した学校生活を実現するため,各教科の指導内容を精選するとともに,学校教育法施行規則の一部を改正し,第4学年では週当たり2単位時間,第5,6学年では4単位時間の標準授業時数の削減が行われた。このことによって,学校の教育活動にゆとりがもてるようにするとともに,地域や学校の実態に応じ創意を生かした教育活動が展開できるようにした。

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学習指導要領に定める各教科等の目標,内容を中核的事項にとどめ,教師の自発的な創意工夫を加えた学習指導が十分展開できるようにしたこと。
各教科等の目標や指導内容について中核的な事項のみを示すにとどめ,また,内容の取扱いについて指導上の留意事項や指導方法に関する事項などを大幅に削除した。このような大綱化を図ることによって学校や教師の創意工夫の余地を拡大した。

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(4)平成元年改訂

社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成
(生活科の新設、道徳教育の充実)

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/1304360_002.pdf

社会の変化としては、情報化、国際化、価値観の多様化、核家族化、高齢化などが挙げられており、これらが今後拡大、加速していくと予想されていました。
この改訂では、”生涯学習の基盤を培うという観点に立ち,21世紀を目指し社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成を図ること”がねらいとされ、次の方針により実施されました。

① 教育活動全体を通じて,児童の発達の段階や各教科等の特性に応じ,豊かな心をもち,たくましく生きる人間の育成を図ること。

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② 国民として必要とされる基礎的・基本的な内容を重視し,個性を生かす教育を充実するとともに,幼稚園教育や中学校教育との関連を緊密にして各教科等の内容の一貫性を図ること。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/__icsFiles/afieldfile/2011/03/30/1304372_001.pdf

③ 社会の変化に主体的に対応できる能力の育成や創造性の基礎を培うことを重視するとともに,自ら学ぶ意欲を高めるようにすること。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/__icsFiles/afieldfile/2011/03/30/1304372_001.pdf

④ 我が国の文化と伝統を尊重する態度の育成を重視するとともに,世界の文化や歴史についての理解を深め,国際社会に生きる日本人としての資質を養うこと。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/__icsFiles/afieldfile/2011/03/30/1304372_001.pdf

(5)平成10-11年改訂

基礎・基本を確実に身に付けさせ、自ら学び自ら考える力などの[生きる力]の育成
(教育内容の厳選、「総合的な学習の時間」の新設)

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/1304360_002.pdf

平成8年の中央教育審議会の「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」の第1次答申では、[生きる力]について、”「いかに社会が変化しようと,自分で課題を見つけ,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,行動し,よりよく問題を解決する資質や能力」,「自らを律しつつ,他人とともに協調し,他人を思いやる心や感動する心など,豊かな人間性」,そして,「たくましく生きるための健康や体力」を重要な要素”として挙げています。
また、”[ゆとり]の中で[生きる力]をはぐくむ”観点から、完全学校週5日制の導入と教育内容の厳選を実施。
そして、横断的・総合的な学習や児童の興味・関心等に基づく教育活動を行う時間「総合的な学習の時間」を創設。

この改訂では、”完全学校週5日制の下で,各学校がゆとりの中で特色ある教育を展開し,児童に豊かな人間性や基礎・基本を身に付け,個性を生かし,自ら学び自ら考える力などの「生きる力」を培うこと”がねらいとされ、次の方針により実施されました。

① 豊かな人間性や社会性,国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること。

② 自ら学び,自ら考える力を育成すること。

③ ゆとりのある教育活動を展開する中で,基礎・基本の確実な定着を図り,個性を生かす教育を充実すること。

④ 各学校が創意工夫を生かし特色ある教育,特色ある学校づくりを進めること。

(6)平成15年一部改正

学習指導要領のねらいの一層の実現
(例:学習指導要領に示していない内容を指導できることを明確化、個に応じた指導の例示に小学校の習熟度別指導や小・中学校の補充・発展学習を追加)

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/1304360_002.pdf

(7)平成20-21年改訂

「生きる力」の育成、基礎的・基本的な知識・技能の習得、思考力・判断力・表現力等の育成のバランス
(授業時数の増、指導内容の充実、小学校外国語活動の導入)

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/1304360_002.pdf

この改訂での基本的考え方は、以下の3つに整理されています。

教育基本法改正等で明確になった教育の理念を踏まえ、「生きる力」を育成

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/30/1234773_001.pdf

知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視、授業時数を増加

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/30/1234773_001.pdf

道徳教育や体育などの充実により、豊かな心や健やかな体を育成

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/30/1234773_001.pdf

授業時数の増加に関しては、小学校では、国語・社会・算数・理科・体育の授業時数を10%程度増加。中学校では、国語・社会・数学・理科・外国語・保健体育の授業時数を実質10%程度増加。

特筆すべき改訂ポイントとしては、小学校(小5・6)に外国語活動が導入され「聞くこと、話すこと」を中心とした指導により、外国語教育の充実が図られました。

(8)平成27年一部改正

道徳の「特別の教科」化
「答えが一つではない課題に子供たちが道徳的に向き合い、考え、議論する」道徳教育への転換

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/1304360_002.pdf

出典:文部科学省WEBサイト
新しい学習指導要領の考え方 -中央教育審議会における議論から改訂そして実施へ-
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/__icsFiles/afieldfile/2017/09/28/1396716_1.pdf
学習指導要領の変遷
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/1304360_002.pdf
学習指導要領等の改訂の経過
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/__icsFiles/afieldfile/2011/03/30/1304372_001.pdf
平成20・21年改訂学習指導要領(本文、解説、答申、通知等)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/index.htm

平成29・30・31年の改訂について

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